カテゴリー別アーカイブ: ビジネスマンのメタフィジック

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

ビジネスマンのメタフィジックも、だいぶ間が空いてしまった。このまま、連載(?)終了になると、誰もが思われたであろう。(というより、誰も読んではいないだろうけれど)
しかし、しつこく続けるのである。なぜといって、現実のビジネスの世界は、さまざまな難問が待ち構えていて、今すぐにでも、メタフィジックによる解決を求められているからだ(って、ほんとか?)。
そうした要望に答えて、今回は、難問のひとつである「なぜ若者は会社を3年で辞めるのか」という課題に取り組むこととしよう。(って、そんなに簡単に取り組めるものか?)

続きを読む 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

キャラって、何?

若者言葉で頻出するものの一つに、「キャラ」という言葉がある。”言葉がある”なんて、大上段に構えて論じることもないのだけれど。無論、キャラクターの略で、「ゆるキャラ」とか「頼られキャラ」とか、「アニメキャラ」とか最後のはそもそもリファレンスするアニメを知らないと、どういうキャラクターなのか、皆目見当もつかない。
企業組織の中でも、若者が流行らせたおかげで、「あの人のキャラは~」などと発言する輩も多い。キャラとは、いわばレッテルであり、本来、多面的である人のごく一部の属性を取り出してそう表現しているだけである。しかるに、一度、この「キャラ」を命名されたが最後、彼(あるいは彼女)の属性は、これと決められてしまい、容易にそのイメージを破ることはできなくなってしまう。下手をすると、期末の評価にまで影響しかねない(というのは大げさか)。「キャラ」はほんとうにあるのだろうか、というのが今回のテーマだ。

続きを読む キャラって、何?

20歳で卒業したはずのランボー

ヘーゲルのあとは、当然マルクスのはずで、『経済学・哲学草稿』とか、『ドイツ・イデオロギー』とかを買い直して、読んでいる。いったい何度買ったことか。そのあいだに、岩波文庫版『ド・イデ』の訳者が、古在由重氏から廣松渉氏に替わってしまった。
しかし、まだ早い。ヘーゲルの範囲を少しも出ていないので、少しまわり道をしよう。

続きを読む 20歳で卒業したはずのランボー

ビジネスマンのためのヘーゲル

唐突だが、これから「ビジネスマンのメタフィジック」とかいうコラムを連載したいと思う。ビジネスマンに役立つ哲学話を、書きついでゆく目論見だ。メタフィジック、というのは形而上学のこと。平たく言えば、哲学だ。”ビジネスマンの哲学”、などとすると、経営哲学とかいう言葉と勘違いされそうなので、メタフィジック、としたわけだが、それはともかく。。。
まず始めは、ヘーゲルだ。ヘーゲル? 今の時代に? と思われる向きもあるだろう。私も最初はそう思った。デリダとか、フーコーとか、はたまたドゥルーズとか、そういうのが今の哲学なのだろうけれど、最初が肝心なのだ。メタフィジックの帝王は、ヘーゲルだから。
故池田晶子さんも、ヘーゲルがお好きなようであった。もっとも、池田さんのヘーゲルは、ヘーゲル以上に難解だったけれど(などと言うと、草葉の陰から叱られそうだが)。
私からすると、ヘーゲルを引いて話す人は、まるでヘーゲルのことなどわかっていないのだ(などと大きく出ていいのかいな)。

続きを読む ビジネスマンのためのヘーゲル