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フォルトナとヴィルトナ

政治家は、その出自に、自分の力ではどうにもできない宿命を負っている。このことを、『君主論』のマキャベリは、著作の中で、君主に必要な資質は、フォルトナとヴィルトナだと表現した。
君主は、力(ヴィルトナ)だけでは国家を治めることはできず、運(フォルトナ)を持たずば君主たりえない。逆に言えば、力およばず、一敗地に塗れても、運がなかったと慰めになるやもしれない。
小泉、安倍、福田、麻生、鳩山と続いた政権は、最初のひとりを除き、フォルトナ(世襲という僥倖)はあったけれども、ヴィルトナがなかった。そう考えると、フォルトナとヴィルトナを併せ持った小泉純一郎こそ、5年の長期政権を全うするための条件を完備していたのだと言えるだろう。

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