月別アーカイブ: 2015年11月

脳ブームと心について

脳科学のブームはいつ始まったのだろう。

科学ならまだしも、脳ブームとさえ言われていて、大豆、チョコレート、魚(ドコサヘキサエン酸)、ピーナッツから始まって、卵だとか、はたまたご飯(しょっちゅう食べてるよ!)が脳の活性化に役立つとかなんとか、喧伝されている。現代の日本人にとっては、脳科学から科学も取っ払われて、脳大好きな国民になってしまったかのようだ。

トンデモ本に書かれるならまだしも、最近ではビジネスの現場まで侵食され始めて、脳の活性化するノートの取り方とか、あのマインドマップさえ埃を払って取り出されているようだ(マインドマップって、私もそうだが、一度はやってみて、放り出したはず)。脳科学の知見に基づいたビジネスセミナーが開かれて、まっとうなエリート・ビジネスパーソンが踊らされている。
果たして、実利いっぺんとうの脳科学(まがい)で我々の生活が豊かになるのであろうか。

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希望のつくり方と、絶望とのつきあい方

世の中には、いろいろな本がある。いろいろあるものだから、仕事や私生活がうまくゆかず、何をする気も起きない時、役に立つ本さえある。そのうち、希望について書いた本と、絶望について書いた本を紹介したいと思う。

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地方消滅と再生のための3つの処方箋

2014年の夏、元総務大臣の増田寛也が発表した(編著)『地方消滅』が、論議を巻き起こした。少子高齢化の日本社会に何も手を打たなければ、896の市町村が消滅する、というのである。消滅といっても、何も国土が消えてしまうわけではなく、2010年から40年までの間に「20〜39歳の女性人口」が五割以下に減少し、税収は減り、自治体サービスを継続できない事態に立ち至る、ということだ。これらの市町村を、この本では「消滅可能性都市」と刺激的な言葉で呼ぶ。

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野火 新たに生まれた人間改造のイメージ

塚本伸也監督の『野火』を観てきた。上映後、観客は、いちように重々しい顔で映画館を出てきた。次々と兵隊が殺されてゆくときの、あまりにグロテスクな戦闘描写に辟易しながら。これほどリアルな反戦映画は他にない、というところかもしれないが、ほんとうにそうだろうか。

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