月別アーカイブ: 2010年12月

「三国志」はビジネスの役に立つか?

正月に入ったらDVD三昧の計画だったのですが、正月にならないうちに『レッド・クリフ』のPart2も観てしまいました。いわゆる「三国志」のハイライトシーンのひとつ、赤壁の戦いの映画化です。
諸葛孔明を、眉目秀麗な、あの金城武が演じています。知的な風貌がぴったりですね。しかも、三国志の記述どおり、羽扇を始終パタパタやっていて、戦いが終わると呉の大都督の周愈に「今後は庵で寝ていたいですね」とのたまうなど、孔明の超俗ぶりをかっこよく演じています。
実際の「三国志」でも、諸葛孔明ほどかっこいいスターはいないんですね。臥竜鳳雛(がりょうほうすう、とタイプすると一発で出てきます)と言って、才能を隠して畑仕事をしていたところ、劉備玄徳が3回訪ねていってやっと軍師になることを承諾したとか(三顧の礼)、とかく話題に事欠きません。
雲の動きで天候の異変を察知して、戦いを勝利に結びつけたりするのは序の口で、鬼面人を驚かす策を繰り出します。矢を調達するのに、藁人形を積んだ船で敵陣に乗り込み、たっぷりと藁に射掛けさせて、もらって帰ったり、敵兵を亀甲型の味方陣地の奥深くへ誘い込み、盾に守られた密集戦術で破ったりと、「三国志」を読む楽しさは、孔明の名探偵ばりの大活躍にあると言っても過言ではありません。(本のほうは、かなり楽しいです)

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『坂の上の雲』のブログライター

『坂の上の雲』の第二部が始まり、地上波デジタルの映像を録画して見始めた。録画しないと見逃してしまうので。
実は、第一部を何の気なしに見始めたら、NHKのあまりの力の入れように圧倒され、最後のほうはきちんと時間どおりに鑑賞していたのだが、解説を読むと3年に渡り毎年の年末に放送するというので、これまた驚いていたのである。大河ドラマ以上に、大金を投入して作っていて、低予算で作るミニ映画などを金額ではるかに上回っているだろう。
無論、司馬遼太郎の原作は大昔に読んでいた。しかし、あの作品は格好だけはそうであるけれど、小説として完全に破綻していると思う。その証拠に、作者・司馬氏自身が作中に解説者として顔を出し、「この小説は破綻して云々」と書き付けている始末である。もしかしたら、ヌーボーロマンのつもりであったのかもしれないが。

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