月別アーカイブ: 2007年6月

20歳で卒業したはずのランボー

ヘーゲルのあとは、当然マルクスのはずで、『経済学・哲学草稿』とか、『ドイツ・イデオロギー』とかを買い直して、読んでいる。いったい何度買ったことか。そのあいだに、岩波文庫版『ド・イデ』の訳者が、古在由重氏から廣松渉氏に替わってしまった。
しかし、まだ早い。ヘーゲルの範囲を少しも出ていないので、少しまわり道をしよう。

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「お疲れさま」って言うな!

いま職場でもっともよく耳にする言葉。
それが「お疲れさま」だ。
部員たちは朝来ると「お疲れさまです」。
電話をかけても「もしもし、○○です、お疲れさまです」。
電話を取っても相手が知り合いだと、「どうも、お疲れさまです」。
バイトの女性にいたっては、エレベーターの中で会うたびに「お疲れさまです」。
疲れてないって。
「おはよう」「こんにちは」でいいではないか。
もちろん、そういう意味で使っているのはわかる。
「疲れてますねー」と言ってるわけではないんだろう。
どうしてこれが違和感ないビジネスマナーとして使われるのか。
「おはよう」「こんにちは」よりも相手との距離感が保てるからかもしれない。
若いバイトの女性がおじさんに向かって「お疲れさまです」なら誤解されない。
にっこり笑って「こんにちは」は危険な感じ。
私たちはビジネス上の付き合いなの。
異性同士でも同性同士でも、防御策として使える挨拶ということか。
でも、生理的にぼくは受け付けられない。
だいたい家から会社に朝来ただけなのに「お疲れさま」はないだろう。
「お疲れさまです」を間違ったビジネスマナーとして撲滅したいのだが、どうだろう。

ビジネスマンのためのヘーゲル

唐突だが、これから「ビジネスマンのメタフィジック」とかいうコラムを連載したいと思う。ビジネスマンに役立つ哲学話を、書きついでゆく目論見だ。メタフィジック、というのは形而上学のこと。平たく言えば、哲学だ。”ビジネスマンの哲学”、などとすると、経営哲学とかいう言葉と勘違いされそうなので、メタフィジック、としたわけだが、それはともかく。。。
まず始めは、ヘーゲルだ。ヘーゲル? 今の時代に? と思われる向きもあるだろう。私も最初はそう思った。デリダとか、フーコーとか、はたまたドゥルーズとか、そういうのが今の哲学なのだろうけれど、最初が肝心なのだ。メタフィジックの帝王は、ヘーゲルだから。
故池田晶子さんも、ヘーゲルがお好きなようであった。もっとも、池田さんのヘーゲルは、ヘーゲル以上に難解だったけれど(などと言うと、草葉の陰から叱られそうだが)。
私からすると、ヘーゲルを引いて話す人は、まるでヘーゲルのことなどわかっていないのだ(などと大きく出ていいのかいな)。

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