流れ断たれたサムライブルー

サッカー日本代表のユニフォームが変わった。
色が少し明るくなり、縦のライン。
そのお披露目の試合が26日のチリ戦となったわけだ。
ユニフォームが変わるとともに、これまでの日本代表の流れも断たれたのか。
そんなことを思うような試合だった。


いくら監督が変わって合宿入りから間がなく、Jリーグのシーズン入りもまだ先といっても、あれほど見所のない試合をしなくてもいいではないか。
マスコミはディフェンスは安心できたと書くが、もしチリに気の利いたストライカーが一人いたらどうなっていたことか。
チリのビエルサ監督は、山岸、遠藤、中村、途中投入の羽生に苦しめられたと試合後に語ったそうだ。
だから中盤のつぶし合いで、チリも日本に厳しくきたが、日本にも分があったということだろう。
ディフェンスラインがきつかったと言っているわけではないのだ。
右サイドは何度ピンチに見舞われたことか。
攻撃については言わずもがな。
大久保が投入されるまで、眠たくなるような有様だった。
国立競技場に行っていたら、高いチケット代を返せと叫んだことだろう。
もっと気になるのは、試合後の選手たちのヌルいコメントである。
ヨシカツでさえ、初戦にしてはまあまあなどと言っている。
どうしてこんなことになったのだろうか。
岡田監督に代わって、仕事がしやすくなった人たちがたくさんいる。
一つはマスコミだ。
トルシエ、ジーコ、オシム。
気難しく日本語が通じない相手とずっと仕事したきたマスコミは、いっしょに酒も飲めるし話もわかる岡田監督になって取材が楽になり、あきらかにほっとしている。
当分は蜜月期間が続きそうだ。
これはサッカー協会とて同じではないだろうか。
ある関係者は、「協会にとってオシムが倒れたのは渡りに船だった」とまで言う。
「協会幹部はオシムに露骨に子供扱いされ、プライドを傷つけられることがしばしばあった」。
でも岡田監督ならそんなことはあり得ない。
そう言う関係者でさえ、こんなに国際経験のない日本人だけで固めていいのか、と口にするのだ。
そういう視点が今ちょっとお留守になっているように感じる。
日本代表の目標はワールドカップでできるだけ上位の成績を残すことだ。
その結果、日本選手の活躍の場が広がり、それが続くことが長期的な好循環をもたらす。
現在の専務理事は技術委員長だった当時、講演で「ワールドカップでつねに上位グループに入り続けることが大事」と言っていたくらいなのだ。
しかし、三大会連続でワールドカップに出たことで、出場するのはもう当然のことといった油断、あるいはユルさがありはしないか?
今年のユーロ大会にはイングランドが予選落ちしたのだ。
日本は話の合う同士でなごんていても当然行けると思ったらとんでもないことだと思う。
30日にも試合がある。
どう変更してくるのか楽しみだ。

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