日本の会社の好業績って、つまり円安が作った幻ってこと?

株の世界同時暴落が止まらない。
今日はとうとう日経平均が870円も下げた。
こんな解釈不能なパニック相場、昨年のライブドアショックよりもすごい。
お金のほとんどを株で運用しているぼくは、毎日毎日船酔い状態である。
以下はシロウト談義であることを予めお断りしておく。
2週間くらい前だったかに米国の低所得者向け住宅ローンの焦げ付きが市場で表面化した。
もっともこれ自体は、昨年冬、FRB議長がグリーンスパンからバーナンキに交代したとき、マエストロと賞賛されたグリーンスパンの負の遺産と言われ続けてきた問題だ。
だからリスク自体は市場の専門家はわかっていたはず。
市場がこのリスクを織り込まないのをいいことに投資家は知らんふりしていたけど、それももう限界ということなのかもしれない。


ともあれ、この問題、アメリカ国内の問題とタカをくくっていた。
ところが、あちこちの証券化商品にこの問題が組み込まれていることが再認識され、ヨーロッパの株価が下げ、日本の金融機関も信用収縮懸念が出てきた。
新興国市場はもっともっと悲惨である。
上海はそうでもなかったが、香港、韓国、台湾、インド相場は真っ逆さま。
比較してまだ日本は強かったのだ。
ところが今日の5%もの暴落。
日本の市場も安泰ではなくなったのだろうか。
専門家コメンテーターたちが誰一人予測しなかった事態だ。
低所得者向けローンの問題を発端とした株の売りと円の買い戻しが、為替相場の大乱調を引き起こした。
為替証拠金取引(FX)をしている人たちは、ぼくの船酔いなんかかわいいもので、全財産が消えてなくなる恐怖にかられているだろう。
かれらのパニックはまだまだかなり、相場に影響するだろう。
こうした円高株安を見ると、なんだ日本の会社の好業績って、つまり歴史的低金利が背景の円安が作った幻ってこと?と言いたくもなる。
本当にそうなのだろうか。
日本経済の化けがはがれたのだろうか。
いやいや、そんな極端なものじゃないんじゃない?というのがぼくの感覚である。
円高でどこまで業績が下振れするか。
それが目に見えてくる7-9月の第二四半期決算、あるいは9月中間決算の発表あたりで悪材料が出尽くして、売り方は買い戻してくるのではないかと推測する。
こんなに売っていいのかだろうか、とも思う。
よくはわからないが、こんな無茶な売り込み方をすればするほど、売り方は、買い戻さないといけない場面で狼狽するのでは?
なんて強がりは言うが、あの是川銀蔵でさえ株がわからなくなって3年相場を休んだという。
資本がグローバル化して以降、そしてファンドが巨大すぎるリスクを取るようになって以来、昔のように日本がダメでもアメリカはいいという時代は終わり、株はつねに世界同時に、しかも急激に下がる。
どこかの大手金融機関が破綻でもしたら、金融恐慌だって発生しかねない。
株の休みとは、買うのはもちろん、売りもしないこと。
是川翁にならい、3年の塩漬けか、トホホ。
株は1に我慢、2に辛抱、34なくして5に我慢と辛抱。
強い意思がものいう世界でもある。
まあこれは自分向けのメッセージなので、ここを好機にドカっと株を買う人に幸いあれと思う。

日本の会社の好業績って、つまり円安が作った幻ってこと?」への4件のフィードバック

  1.  いやあ、ワタシもちょっとめまいが(笑)。
     15日から一段安になりましたが、お盆で実家にて先祖を供養しておりまして。
    ネット環境がないので手も足も出ませんでした(笑)。
     金曜日、安中華料理屋で証券化の専門家に話を聞いたところ、ミソもクソも証券
    にしてしまった(アメリカは証券化に関しては長い歴史があります)行き過ぎた証
    券化の調整だ、サブプライム問題は各国の中央銀行がリスクをとるかたちになり、
    その後始末ができれば(つまり今市場介入している金がその尻ぬぐいに使われる、
    という寸法)収束に向かうが、ともあれ月曜日の相場に要注意、だそうです。
     ホント、日本の個人投資家は防ぎようがありませんね。『SPA!』の編集者と話を
    していたら、「今の読者はマネー特集にしか食いつかない」と嘆いたので驚きまし
    た。セックスよりも金が大事か〜。そういえば、「FX最終案内」なんて特集してた
    ばっかりだよな、SPA。

  2. SPA!みたいな一般誌がFX案内をしていたのなら、これはもうその時点でバブっていたのかもしれません。幸いぼくは仕組みがよくわからず(苦笑)手出しできませんでした。
    ご先祖供養で手も足も出なかったとか。しかし後年、それはご先祖が「落ち着け」とおっしゃったのだとお思いになると思いますよ、きっと。17日の金曜日は、保有していた中国株と米国株は必死になって売りました。米国株など、飲んだあとPCの前に這うようにしてたどりついた深夜ですわ。でも保有日本株は静観です。
    サブプライム問題は、まるで証券化商品という身体全体に散らばったガン細胞のようなものですね。インフレの監視人という聖なる存在であったFRBも、結局は自ら撒き散らしたガン細胞にあわてて投薬治療しているような感じで、惨めなものですね。グリーンスパンも今になって晩節を汚しているように見えます。果たして投薬で済むかのか。外科的治療に進んだら、一体どこまで切ればいいのか。
    まあのんびりいきましょう。個人投資家にクライアントも決算もないのですから。

  3.  そうですね。怪しい証券化がいっぱいあるのは事実(そしてぱっと儲けて去って
    いった外資系ファンドがあったのも事実)なのですが、証券化というのはリスク分
    散の仕組みですから、大なり小なりもともとこういう性格を帯びるものともいえま
    すね。もし今回の信用収縮が3年前ぐらいに起きていたら、日本経済は立ち直れな
    くなっていたかも知れない。その意味では、本当に運がいいです。
     ちなみに、先に破綻してものすごく評判が悪かったのが、「パチンコ業界の証券
    化」です。もともとそれ自体が資金流動化の仕組みといえるものなので、意味がな
    かったというのですよね。

  4. はい。前のコメントで、あたかも証券化商品すべてをガン細胞だと言ったかのようになっていたのは間違いでした。
    サブプライムローンの、途中から金利が高くなるような住宅ローンは、日本にもありますから、それを詐欺的商品のように言うのもよくなかったですね。
    投資家を騙す詐欺的金融商品のことをガン細胞と定義すべきでした(とはいえサブプライムローンも不動産価格の値上がりを前提としている点は如何なものかと)。
    それにしても中国株は強いですね。中国政府の管理相場なのでしょうか。
    まるで昔のブラックマンデーのときの日本のよう。
    こんなことなら慌てて売却しなければよかったと思います。

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