ヘッドハンティングがキターッ!

今週はじめ、会社にヘッドハンティングと称する電話がかかってきた。
「ぜひシリーズものの編集長か、新規事業立ち上げの責任者として迎えたい会社がある。まず、お目にかかって説明したい」
この「編集長」とか「新規事業」という言葉がなんとも耳ざわりがいい。
では、どうしてこちらを知ったのか、あれこれ質問すると、なんだかよくわからない。
「ネットで見て」「お仕事の評判を聞いて」とあいまいなのだ。
最近、部下にマンション購入の営業電話が多いので、これもその変形版の、展示会商法への連れ出しかと思った。
なので、「私の仕事も知らない、相手の会社も言わない。これでは会いようがない」
と電話を切ったのだが。。。


翌々日後、また電話があった。
今度はちゃんと社名を聞き、話を聞きながらネット検索すると、たしかにそういう名前の会社は存在した。
スタッフの「姫」のブログまである。
なんでもこれは、「サーチ型ヘッドハンティング」というのだそうだ。
いくつかクライアントがあり、ネット上でそのニーズに合いそうな人間を探し、面談し、クライアントに紹介する。
ネットお見合いの人材マッチング版みたいな感じだろうか。
ヘッドハンティングというと、取引先の凄腕社長が「あいつをわが社に引き抜け!」と会社の総務担当役員あたりに命じ、役員がひそかに内偵して人格識見を見定め、「うむ、こいつなら間違いない」となった段階で、専門のヘッドハンターに円満退職させる、というプロセスをイメージしていた。
これはそうではなくて、業者が勝手に引き抜き話を作り上げ、知らない人間同士をつなげて利益を上げるビジネスのようだ。
偽装マンション営業の疑いは晴れたが、相変わらず電話の主は要領を得ない。
あきれて、「それでは前と何も変わらない。では」と受話器を置いた。
翌日、たまたま話した、あるベンチャー企業の社長さんの会社にも、よくそういう電話があるという。
ひどいことに、役員名簿の上から順にその手の電話がかかってきたのだそうだ。
社内では一時期、業界最大手へ移籍する役員がたくさん出るのではという噂が駆け巡ったという。
社長にとって、これほど迷惑に話はないだろう。
「だからもう、そういう話は皆、一切無視しています」
とおっしゃる。
ぼくは移籍したいとはまったく思わないし、その必要もない。
もしあるとしたら、破格の年収を約束されることだろう。
今度また電話がかかってきたら、こう言おうかな。
「ヘッドハンティングに応じるなら理由はお金しかありません。年収2億円ください」
そんなお金を出す出版社はこの世に存在しないのだ。

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