建造物倒壊の国

毒入り餃子の国の次は、建造物倒壊の国だ。
ソウルの南大門が火事で崩落する、というとんでもないニュースを見て驚いた。911テロのニューヨーク世界貿易センタービルの崩落の瞬間も、リアルタイムで衝撃を受けたが、南大門も十分にショックである。


ソウルに行けば、必ず見えてくるのが南大門の威容である。日本からの観光客も、毎年そうとうな人数だろうから、多くの人がその巨大さに圧倒されたことだろう。こんな巨大な木造建築が600年前から残っているということ自体が偉大なことで、国宝第1号になっていたのも当然だ。それなのになんで、いまごろ、こんなことが起きるのであろう。
韓国の建造物倒壊の大事件といえば、1994年の聖水大橋(ソンスデキョ)の崩落、1995年の三豊百貨店(サムプンデパート)の自然崩落を思い起こさせる。そのころも、何度もソウルに出かけていたので、しっかりと記憶している。
ソウルタワーに登ると、修学旅行か何かの生徒たちが、必ず、「あれがソンスデキョの跡だよ」と指差している光景に出会ったものだ。指差した先には、橋の残骸が残る、漢江(ハンガン)の一角が見えていた。
その後、70歳の男性の放火が原因であることが判明した。しかし、国宝なのに、監視員がひとりもいなかった、というところは、過去の橋やデパートの自然崩壊への備えのなさと、通じるところがある。
いや、おまえの国だって、日航機墜落事故、阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、東海村の臨界事故、JR福知山線脱線事故などというとんでもない事件がいくらでもあるではないか、と言われるかもしれない。また、ごく近い将来には東海地震、あるいは東南海地震が起きるのだ、と言われれば、磐石な備えかどうか、心もとなくなる。
しかしねえ、国宝なんだよ、国宝。国の象徴をしっかりと守らなくてどうするのであろう。韓国民には、なんとかこの偉大な建築を復元してもらい、自信を取り戻してもらいたい、と思うのだが、2ちゃんねるの住民あたりなら、ざまをみろ、とでも言いかねないだろうな、きっと。
南大門の一日も早い復元を、切に願うものである。

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